「お化け屋敷、ジェットコースター、メリーゴーランド…どれがええ?」
「は?なんでその三択!?」
「早よ選ばんと、俺が選んでまうよ」
「え、え、えーとぉ…じゃあメリーゴーランド!」
選ぶもんは予想ついとったけど、示してる方向全く逆やね。
「…あんたも女の子やなあ。ほな、お姫様抱っこで白馬に乗ろか」
「ハイー!?」
「今日は俺の誕生日…ということは、俺が王様やから、相手のはお姫様やろ?」
「……何千秋みたいなこと言ってんだか」
「へぇ…は千秋のこと、そない思うてたとは知らんかったわ。明日にでも教えたらなあかんね」
「いやいやいや、ごめん…言わないで下さい」
「ふふ、じゃあ俺の言うことに従ってや」
「…誕生日キングって呼びたくなって来た」
「別にええよ。そしたら俺はあんたを、プリンセス言うけどな。……な、プリンセス」
そう言ってその場で恭しく彼女の手の甲へ口づけてやれば、案の定周囲の視線はに釘付け。
それと同時に、俺の腕に絡める…言うよりも、引きずるようにその場を走り出した。
「ばっ、ばか蓬生っ!」
「照れてるあんたも可愛えなぁ」
「〜〜〜〜〜っ」
太陽の下ではなく、イルミネーションに照らし出される照れたの横顔。
誕生日プレゼント代わりに貰うたつもりの、あんたと過ごす時間。
けど"今日"いう日に変わってから、時間が随分経ったからやろか。
それとも、暑さや場所のせいやろか。
一緒におるだけじゃ、なんや…物足りん。
なぁ、もうひとつ…おねだり、してもええ?